アメリカ西海岸編
6月末の10日間、サンフランシスコ、サンディエゴ、ベリンハム(シアトルとバンクーバーの間にある街)と、アメリカ西海岸を縦断してきました。この旅で、改めていちばん強く実感したことは、人々が家や生活をとても楽しんでいる、ということでした。
San Francisco サンフランシスコでは、新しいパートナー、ダン・フレデリックを訪ね、彼の作品(右写真など)や、周辺地域の街を見学しました。周辺と言っても、人々は街から少々離れても、高いところ、高いところへと、素晴らしい景色を求めて移っているようでした。案の定、高級住宅地は山の上にありました。日本では一般的に街から遠ざかると土地代は下がってゆくのが大半ですが、このオークランド地方では、小高い山の高い方ほど土地代は上がっているのだそうです。それにしても、ほとんどの家が崖っぷちのようなところに建っていて、多くの家は、1階建てに見える家の部分から玄関を入り、下にB2階、B3階ノのスペースが作られていました。急斜面で高低差のある土地なので、下がったところからも市内や海の景色が一望できるのです。日本では傾斜地もフラットにしてから建てる家を多く見かけますが、アメリカではもとの土地を生かして土地なりに家を工夫して建てるケースが多いようです。この地域に1階建てに見える家の多い理由のひとつでもあるでしょう。選んだ土地の形を生かして土地なりに建てることができれば自然な街並みができ、それは景色の一部となります。そしてそこからの眺望を楽しみ、生活を楽しむ。そんな環境で暮らすことによって、心持ちも穏やかになると感じました。
余談ですが... 実際にサンフランシスコの人々は、とても穏やかのようです。空港からシャトルで宿泊するホテルまで行ったのですが、シャトルでカナダから来た人、東京から来た人、ニューヨークから来た人と乗り合わせました。ニューヨークからの女性が、なぜみんなそんなにニコニコしているのか、と運転手に聞いていたくらいです。パートナーのダン・フレデリックは、今までいろんな国や都市に行ったが今のところサンフランシスコがいちばん暮らすのには良いと言っていました。気候が良い、食べ物がおいしい、人々が穏やか、という理由です。ちなみにフレデリックがニューイングランドをいちばんに選んでいない理由は、食べ物がイマイチ、でした。
San Diego さて、次に行ったサンディエゴでも、友人が結婚式を行った新郎の姉の家では素晴らしい景色が待っていました。ラ ホイヤという地域で、やはり小高い丘を登って登って着いた家からは、きれいなビーチと海が絵のように広がり、庭にはパームツリーや花々、小川まであり、またその庭のいちばん高いところにはこの家の女の子の、真ん中から木が生えている小屋が建っていました。物語のようでもあるこのロケーションを、思う存分、楽しんでいる生活がうかがえました。

写真 左から...ブライド入場/幸せいっぱいのニューカップル/パーティーの模様/裏方さんも抜群の景色を眺めながら..
Bellingham ワシントン州シアトル郊外には当社のアメリカ事務所があり、事務所を運営しているスティーブの家で残りの日を過ごしましたが、こちらは穏やかな湖畔、高い木々と、しっとりとした雰囲気の心落ち着く場所でした。ちょうど6月末のいちばん日が長く一日が倍過ごせる時期でした。夏時間ということもあって、夜10時になってもまだ夕方程度の暗さでしたから、5時に仕事が終わってからまだ、山や海へ出かけたりゴルフをしたり、ゆっくり外でワインを楽しんだりと、人それぞれの夏の楽しみ方をしているようでした。
そんなライフスタイルの提案や楽しむための橋わたしも含めて、"生活を楽しむ" ための家を、これからも増やしていきたいと思います。
さて、最後にサンフランシスコで泊まった宿を紹介しておきましょう。
Hotel Triton(ホテル トライトン/左写真)/☆3つ程度ですが、セレブの部屋や各部屋のインテリアコーディネートがなかなかおもしろいホテルです。$130くらいからなので、適当なホテルを探すのであればちょっと一癖ありますが、ブティックホテルのトライトンに一度泊まってみてはいかがでしょうか? 私が泊まった日は夕方からちょっとしたライブがあり、その後夜中まで、ホテルで赤白のワインをたっぷりと振る舞ってくれました。
デザインの話
エープラスの家づくりに新しく、「デザイナーシリーズ」が誕生しました。世界の優れたデザイナーがみなさまの家のデザインを承ります。まずはじめのデザイナーは、ダン・フレデリックです。*バークレー在住、小さな別荘から空港内の一室のインテリアと、デザイナーとしてのさまざまな仕事を幅広く手がけて30余年。経験、知識、感性豊かな人物です。
サンフランシスコでのフレデリックのプロジェクトのひとつとして、大規模改修工事の設計があります。市内の景色は絵はがきなどで見る街並みそのもので、急斜面に住宅が建ち並び、車は転がりそうなほどの斜面に車体を斜めにして止められています。特に1800年代後半にはやった様々なスタイルのビクトリア様式の建物が、隙間もなく連なっているところが多くあります。地震の多いこの街は、過去に何度となく大地震に見まわれています。ここ30年ほどの米国3大地震と言ったら、71年のサンフランシスコ地震、89年のロマプリエタ地震、94年のノースリッジ地震と、全てこの地域にシリアスな被害を及ぼす大地震でしたが、歴史的な景観を守るための建築条令は非常に厳しく、それによって今日まではがきの景色は守られています。この古くからの建物や家々が次の大地震に耐えられるよう、表の顔は周囲に合わせたデザインに、中は根本からの構造の大改修を行いながら、街の中というロケーションを生かした設計を行います。大きな掃き出しからは、海に向かって降りていく坂道、密集した建物の重なり合う屋根の続きに広がる青い海の景色が飛び込んできます。
その他さまざまな状況を生かした場所での住宅建築も得意分野です。フレデリックが数々の仕事を手がけている、バークレー、オークランドなどの地域は小高い丘(崖とも言えるほどの急斜面...)が連なり過酷とも言える立地条件ですが、フレデリックはこれをメリットとして生かします。リビングの窓からの景色、お風呂からの景色、デッキやバルコニーの外の空間...暮らしを最大限に楽しむための夢の家のひとつひとつがフレデリックの歴史を作っているため、決して手をぬくところはありません。

*バークレー/サンフランシスコ対岸。教育と文学の街。ベイエリアで活動する作家や芸術家などにも文化的な大きな影響を与え、また、全米でもっとも革新的な街とも言われる。

メンテナンスの話
薪ストーブ編‘暖かい家
スローライフの為のツール

今日本人は、便利になる時代の流れのなかで自分を見失い流される傾向にあります。ある意味とても過保護になっています。今一番大事なことは、より人間的な暮らしに戻すことだと考えます。薪ストーブが家にあることで、少しでも人間的な暮らしに近付き実現出来るのではないかと思います。適した薪を安く調達することから始まり、薪作りに必要な道具の手入れをし、薪を割り、十分乾燥させ使える薪にする。たきつけを用意する。火を熾すことから火加減を調整しストーブの性質を知り、扱い方に慣れる。家の換気から加湿などの気遣いと状況判断、シーズン後のメンテナンスなどの手間を惜しまない。昔は暖を取るのにあたりまえのことでした。薪ストーブで暖を取ることは現代ではアナログ的な生活です。しかし、とても幸せで贅沢なことだと思います。
このような薪ストーブは上手に付きあえば30年でも50年でも付き合えます。メンテナンスをしっかり行ってからシーズンインする。シーズンオフは煙突掃除、煙突の点検、薪ストーブのオーバーホール点検などを行います。薪は、シーズン毎にしっかり乾燥させることが肝心です。乾いていない薪を使うと、煙突に煤、クレオソートを多く付け、燃焼効率や耐久性の低下を招きます。この状態を続けると煙導火災にもつながります。またシーズン直前に慌てて薪調達することは出来るだけ避けたいものです。
シーズンインのときは慣らし焚きを3〜4回程度行います。薪は細めの広葉樹を用意して少しずつ温度を上げて行くのがポイントになります。一回目は180度で約1〜2時間焚きその後自然に冷却させ、二回目は260度にまであげ約2時間焚き、三回目は430度位まで上げ約3時間程焚き、四回目は650度まであげ4時間焚きます。以上のことで薪ストーブの耐久性が上がります。またシーズン中も急激な温度変化は避け無駄な燃焼は極力控えて適温で維持をして下さい。以上のことを心掛けて頂くとストーブにより愛着が沸き、長持ちをさせる秘訣になります。
薪ストーブの効能
日本の森のほとんどが植林で、人間の手を加えないと生きていけないのが実状です。その森を維持していく労力も不足しています。木のエネルギーを薪として使うことで、間伐材などを含めた森林資源の使い道が増えます。森の活性化につながり、結果森林資源の保護にも役に立っています。当然化石燃料を使わないことにもなります。
出た灰は園芸用に土壌改良として約に立ちます。※注意:灰は十分に冷ましてからお使い下さい。土壌はアルカリ性になるため育てる植物には注意して下さい。
薪を焚き裸火を使うことで、家自身が燻煙器となり、そこに住む人間も燻されていることになります。オーナーの皆様がよく口にすることですが風邪をひきにくくなった、と言われる方がとても多いように思います。茅葺きの家で囲炉裏を焚くことと同じことです。
薪ストーブは家全体を暖かくしてくれます。家が快適なため家に居る時間が長くなり家族が集う時間も増えます。ただ暖かいだけでなく、薪ストーブには間接的にもっといろんな効能があるようです。
*編集後記*
今年も本当に寒くなるのだろうか、と思うほどの厳しい残暑でしたが、やはり秋はやってきました。今号は薪ストーブの話が出てきて、そろそろ本格的なシーズン到来です。人間の本能でもある モ火を焚くことモ が少なくなってきていますが、たまには火を見てゆっくり過ごすような時間があると良いなと思います。
暖かさを実感したい方はエープラスまでご連絡を! (小松)

Copyright(c) 2000 A-PLUS INC. All Rights Reserved.